2006-01-01から1年間の記事一覧

 『悪たれの華』(小嵐九八郎 著)〜情念の爆発する瞬間〜

読書の対象になるカテゴリーは、自然、限られたものになってくる。 私、時代劇は嫌いではないが、時代小説というものを殆ど読んだことがない。苦手というのではない。たとえ目にすることがあっても、視野に入らないという感じだろうか。 このカテゴリーで話…

 スター選手のメジャー流出に想う

かつて野茂英雄が海を渡りメジャーに挑戦した頃、日本の野球は果たしてメジャーに通用するのかということが、まだとりざたされていた。当時、メジャー挑戦ということは、日本の一流プレーヤーにとってさえ、大いなる「夢」でしかなかった。 江夏にとってのメ…

 大人は、本気を見せろ

一連の「いじめによる自殺」の報道をみていて、「ちょっと違うんじゃないか」と危惧を覚える。ひとを自殺にまで追い込んでいく「苛める人間がいる」ということが、最大の問題であるにもかかわらず、「学校はなにをしているのだ」という学校の責任問題に問題…

 『フラガール』〜女たちのプライド〜

ここのところ、フラダンスが静かなブームになっているらしい。そのきっかけとなったのが、映画『フラガール』だ。 MovieWalkerで「作品アクセス」、「見てよかった!」のいずれも1位、もれ聞こえてくる評判も良いものばかりだったので、随分以前から気にはな…

 岡島の憂鬱、中里の戸惑い

今年の日本シリーズ、実のところあまり観戦できていない。が、そんな中、舞台を北海道に移しての第3戦は、途中からとはいえ、じっくりと腰をすえて観戦し、シリーズを堪能することができた。 2人の投手が印象に残った。 岡島秀樹。 岡島は、開幕直前に巨人か…

 不安に駆られる

本業に追われる日々が続き、なかなかまとまったことを考える暇がなくなってきた。10月はまだ一度も更新できていないという体たらく。仕方がないので、不本意ながら本業のことを書くことにする(笑)。 病院に来られる方の中には、実はたいしたことではないの…

    『地下鉄に乗って』(浅田次郎 著)〜せつなくてかけがえのない愛のかたち〜

先日、伯父の通夜があった。 読経の流れる通夜の席で、祖父の葬儀の日のことを何となく思い出した。 寝たきりになっていた祖母をその2年前に亡くした後、祖父は軽い認知症になっていたようだ。下の世話やら食事のわがままやらに両親は振り回され、日毎に疲れ…

   おめでとう! 山本昌

山本昌がノーヒットノーランを達成した。41歳1ヶ月での達成は佐藤義則の40歳11ヶ月を2ヶ月上回る史上最年長での達成だ。 山本昌の一軍初勝利は、当時はまだ地上波でやっていたプロ野球ニュースで観た。 いきなり現れたこの無名の若者のピッチングは、鮮烈に…

   PSGに何を賭けるのか?

プロ野球のレギュラーシーズンはとても長い。その長いシーズンを戦い抜いてやっと1位になったとしても、プレーオフという短期決戦で敗れれば、リーグ優勝を逃してしまう。パリーグのプレーオフは、なんとも理不尽な制度である。 プレーオフは、レギュラーシ…

   映画 『 UDON 』を観て

私はさぬきうどんの本場、香川県の片田舎で生まれた。 香川県出身者の多分にもれぬ大のうどん好きで、たとえ毎日でも、喜んでうどんが食える人間であると自負している。 「これからはうどんだよ。お兄さん、うどん屋を始めなさい。」 お気に入りのラーメン屋…

 高校野球に面白さを求めるのは罪なことなのだ

学生時代にはよく観ていた高校野球だが、今では殆んど関心がなくなってしまった。 平日の昼間は仕事と重なり、物理的に観ることができなくなったというのは勿論だが、プロ野球に比べて技術が洗練されていないことが満足できなかったり、金属バットの効果で、…

 俊敏な守備、美しい守備

私のブログの中では時間が止まったままになっている。止まったついでに(苦笑)随分前の話で恐縮だが、7月15日、京セラドーム(大阪ドーム)に阪神‐中日戦を観に行って来たときの話を書くことにした。この試合を選んだのは前半のヤマ場ということもあったが…

 ひと休みさせてください

自らの仕事の区切りを8月の終わりまでにつけようと考えているのだが……。 仕事のことで頭がいっぱいで、とても重苦しい日々が続いている。 こんなときにブログを書いても、読んでいる方々(殆んど数はいませんが(笑))に不快な思いを撒き散らすだけだろうか…

 悔しい夢

こんな夢を見た。 私の恋人はイノシシだ。 いつも妙に可愛らしい服を着て、頭にもリボンなどをつけているが、似合っていない。 「 何で俺はこいつと付き合っているんだ。 」と思いつつ、待ち合わせ場所にイノシシが現れるたび、にこにこと愛想笑いを浮かべな…

 不登校をめぐって家族のあり方を考えた

朝起きて、電車に乗って職場へ行く。雑事をこなしながら、楽しいことには笑い、気に入らないことには不平をこぼし、1日の仕事が終われば、再び電車に乗って家に帰る。家族とともに寛いだり、家での用事を済ませたりして床に就く。そんな毎日の繰り返し。 今…

 竹島をめぐる日韓の攻防

国境を越えれば、そこには伝統や文化、習慣、宗教、思想や歴史観などの異なる人たちが住んでいる。価値観の異なる国と国とがお互いに利益を得ようと交渉すること、それをひとは外交と呼ぶ。 外交を通じてお互いの価値観を変えることは不可能と考えてもいい。…

 独立リーグの二つの方向性

四国アイランドリーグが存続していくためには、リーグが地域アイデンティティーを高めていくという効用を持つことが必要だろう。 独立リーグの存在が、地域アイデンティティーを高めていく。それは、つまり、お国自慢として「 野球リーグのある生活 」が語れ…

 指導の難しさ

最近、娘が塾に通い始めた。 親としては、受験勉強の大変さや進学校の窮屈な学校生活などを思うこともあって、塾を勧めた覚えはないのだが、何を考えたか楽しそうに通っている。昨日も「友達ができた」と嬉しそうに話してくれた。まぁ、どうせ受験させる気も…

 愛国心とは?教育基本法改正案の危うさ

人はみな異なる価値観を持ってこの世の中に生きている。浄土真宗を信仰し、ブログで1日10,000アクセスを獲得することを目指すAさん。カソリックを信仰し、どうやったら株で大儲けが出来るかを考えるBさん。創価学会を信仰し、地域のボランティア活動に意欲を…

 おめでとう 金本知憲選手

球場で、実際にプレイを眼にして初めて本当の凄みが分かる選手がいる。 阪神の金本知憲選手は、そんな選手のひとりだ。まさに火を噴くような打球と言おうか、金本のバットから跳ね返る打球は速い。とにかく速い。 その金本が904試合連続フルイニング出場とい…

 誰が死を選ぶのか

富山県の射水市民病院での人工呼吸器取り外し事件をきっかけに「 尊厳死 」「 安楽死 」あるいは、「 臨終の場での延命 」という問題が取り沙汰されている。 大いに議論されるべき問題だと思う。 人の死というものは、遥か彼方にあるものではない。音も立て…

 「博士の愛した数式 (新潮文庫)」原作を読んで

映画「博士の愛した数式」を観た後、原作の小説も読んでみた。比較しての感想を前のエントリーのコメント欄に書いてはみたものの、随分と長くなったこともあり、コピペして新たにエントリーとしてあげることにした。コメント目的で書いたため、「です、ます…

 情報源は秘匿すべきものなのか

例の永田寿康議員が、情報仲介者の実名を公表した。 永田議員は、公表の理由として「 先輩議員から『偽情報をつかまされた情報源との間に信頼関係はなく、守る必要はない』といわれ、それを受け入れた 」と記者団に説明した。(3月25日 Sankei Web) 情報源…

 イチローにみる危機管理意識

どういった職業でも危機管理ということは重要な問題である。 「Aを行えば、当然Bが起こる」というようなケースでも、Cが起こったり、Dが起こったりする可能性は稀ながら存在する。CやDが起こった場合にどう対処するかをあらかじめ想定したり、全く想定範囲外…

 プロ野球の新たな展開への期待

ともかく日本代表はWBC決勝へと駒を進めた。 後になって試合を振り返ってみれば、日本の快勝ではあったが、福留のホームランが、もしあそこで出ていなければ、どちらに転ぶか分からない試合展開であったと思う。 3度目の対決でようやく韓国に勝つことができ…

 本当の大変化に俺はついていけるか? 

『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)』を読んだ。 ブログを書き始めて早や9ヶ月。気に入ったエントリーに時々コメントを送る以外、リンクを増やす努力をするでもなく、これまで細々とやってきた。間違いなく、私はブログ界のロングテ…

 WBC2次リーグ アメリカ戦を振り返る

まだ始まったばかりのWBCの歴史に汚点を残してしまった、あのとんでもない判定さえなければ、本当に素晴らしい試合だった。 メジャー最強とは言えないまでも、ヤング、ジータ、K.グリフィー、A.ロドリゲス、C.ジョーンズ、D.リーとメジャーを代表する選手た…

 基地のある生活

世界の常識に従って考えれば、日本が戦争に巻き込まれる、あるいは(あまり有り得ない仮定だが)戦争をひき起こす場合、自衛隊だけでそれを戦い抜くことは困難で、畢竟、戦争を二国間での抗争にとどめず、国際化することが必要とされるだろう。すなわち、欧…

  WBC1次リーグが終わって

韓国が1位を確保して幕を閉じたWBC1次リーグA組。 アジアシリーズ2005でのロッテの圧倒的な強さの記憶も手伝ってか、オリンピック予選のときとは異なり、当初から楽勝ムードが漂っていたようにも感じられていたWBC1次リーグだが、緊迫感の無いまま、あれ…

 民主党 永田寿康議員の偽メール騒動

「レイザーラモンHGに彼女がいた」という報道を受けての街頭インタビューで、彼がゲイだと思い込んでいた人が意外に多かったのにちょっと驚いた。 プロ野球ニュースでの関根さんのコメントのような今日のタイトルだが、自分ではそうに違いないと確信を持って…