社会のなかで

 「奪われた野にも春は来るか」鄭周河(チョン・ジュハ)写真展に行く

写真の中の、もとより人影の乏しい、あるいは、意識的に人影を排した山間や田園の景観は、穏やかで、静かで、拍子抜けがするくらいありふれた日常的な風景にみえた。 地震や津波の爪痕がくっきりと残された写真を視なければ、福島県南相馬市周辺の地域で撮ら…

 忘れてはならないこと

様々な物議をかもして、金賢姫が韓国へ帰って行った。 めぐみさんが何匹か猫を飼っていたことや、チヂミでおもてなしをしたといったような僅かなエピソードを一所懸命に語る横田さんご夫妻のお話には、胸に込み上げるものを感じた。「安心した。」とさえ語る…

 沖縄での集団自決に関する教科書検定について思うこと

太平洋戦争末期、沖縄で起こった集団自決に軍の強制があったか否かということで文科省の教科書検定が問題になっている。 教科書によって表現はまちまちだろうが、概ね「日本軍が住民の集団自決を強制した」という記述が、検定を経て「住民は集団自決に追い込…

 テロ特措法について思うこと

先日、安倍総理が辞任会見を行っているところを病室のTVで偶然眼にしました。あまりの唐突さに少し驚きはしましたが、時期を選ばない辞任のタイミング、安倍総理の表情や力のない言葉などから、これ以上総理の職を続けることが難しいということは十分に画面…

 大人は、本気を見せろ

一連の「いじめによる自殺」の報道をみていて、「ちょっと違うんじゃないか」と危惧を覚える。ひとを自殺にまで追い込んでいく「苛める人間がいる」ということが、最大の問題であるにもかかわらず、「学校はなにをしているのだ」という学校の責任問題に問題…

 竹島をめぐる日韓の攻防

国境を越えれば、そこには伝統や文化、習慣、宗教、思想や歴史観などの異なる人たちが住んでいる。価値観の異なる国と国とがお互いに利益を得ようと交渉すること、それをひとは外交と呼ぶ。 外交を通じてお互いの価値観を変えることは不可能と考えてもいい。…

 愛国心とは?教育基本法改正案の危うさ

人はみな異なる価値観を持ってこの世の中に生きている。浄土真宗を信仰し、ブログで1日10,000アクセスを獲得することを目指すAさん。カソリックを信仰し、どうやったら株で大儲けが出来るかを考えるBさん。創価学会を信仰し、地域のボランティア活動に意欲を…

 情報源は秘匿すべきものなのか

例の永田寿康議員が、情報仲介者の実名を公表した。 永田議員は、公表の理由として「 先輩議員から『偽情報をつかまされた情報源との間に信頼関係はなく、守る必要はない』といわれ、それを受け入れた 」と記者団に説明した。(3月25日 Sankei Web) 情報源…

 基地のある生活

世界の常識に従って考えれば、日本が戦争に巻き込まれる、あるいは(あまり有り得ない仮定だが)戦争をひき起こす場合、自衛隊だけでそれを戦い抜くことは困難で、畢竟、戦争を二国間での抗争にとどめず、国際化することが必要とされるだろう。すなわち、欧…

 民主党 永田寿康議員の偽メール騒動

「レイザーラモンHGに彼女がいた」という報道を受けての街頭インタビューで、彼がゲイだと思い込んでいた人が意外に多かったのにちょっと驚いた。 プロ野球ニュースでの関根さんのコメントのような今日のタイトルだが、自分ではそうに違いないと確信を持って…

 小泉首相靖国参拝をめぐって感じた憤り

小泉首相が靖国神社に参拝した。靖国参拝については 8.15、8.18のエントリーで私見を述べたので繰り返すつもりはない(因みに私は参拝反対。)何に憤っているかというと、参拝に反対しているという人たちの中に、なんとも情けない理由で反対している人たちが…

 障害者自立支援法案のその後

小泉自民党の圧勝で終わった前の衆院選。 郵政民営化法案をはじめ、前国会で成立しなかったいくつもの法案が再提出され可決されていくことだろう。 「これこれの案件は国民にとってぜひ必要なことだ」「私は全力でこの案件を実現する」と巧みにアピールする…

 民主党新代表に思う

民主党の新代表に前原誠司氏が決まった。 まだまだ、民主党も棄てたもんじゃない。 前原氏が菅直人氏よりも優れた人物かどうかは全く分からない。全くの未知数だろう。 しかし、先のブログにも書いたが、これまでの菅氏の言動や実績を顧みれば自ずと限界が読…

 民主党代表選について

先の衆院選で歴史的大敗を喫した民主党の元気のなさが心配だった。 議席数の大幅減による弱体化に加え、岡田代表の任期から考えると来年9月までの継ぎのような党代表であることに、党内の中堅と呼ばれる勢力は、みな二の足を踏んでいるように見えた。 これま…

 戦犯とは

戦犯裁判というものに対する批判は以前よりある。 罪を決定する法的基準が曖昧だ。 弁護人をきちんと立てていない。 証拠の検証が曖昧だ。 裁判を実施する国によって、あるいは裁判官によって刑罰の軽重がまちまち等々 何よりも、敗戦国にのみ戦犯がいて、戦…

 戦犯合祀について

戦犯であろうとなかろうと、日本のことを思い、戦い、そして亡くなられていった人々に手を合わすことのどこが悪いのだろう。 靖国の問題は、本来は戦犯の合祀云々ということではない筈だが、中国や韓国の抗議によって論点がずれている様な気がしてならない(…

 靖国参拝再考

靖国問題は要するに思想の問題なのだろう。 靖国神社は「日本(天皇)のために戦ってくれ」という国家の願いに応え、命を投げ出して戦った人々を称える施設であり、先の世界大戦では日本人を戦いに向かわすのに一役買った施設なのだと思う。 そこには、戦争…

 靖国参拝について

靖国神社に関しては十分な知識を持ち合わせてもいないが、その抱える問題について自分の考えを持つことは日本人として一つの責任であるように思われる。 自分のスタンスを表明せずしてこの問題を論じるのは卑怯と考えるので、まず私の立場を明らかにし、その…

 障害者自立支援法案に思うこと

先日、小堀隆司氏の『ノンフィクションな日々』というブログを読んで障害者自立支援法案について考えさせられた。 自立支援という美名とは裏腹に、支出をカットすることを主な目的とした法案には、以前より違和感を感じてはいたが、皮肉なことに、そもそも「…

 善意の人々

ライブ・エイドは、TVで観ただけだったが忘れられないいいライブだった。 エルトン・ジョンの存在感、マドンナの華やかさ、STINGとフィル・コリンズの清冽さ、ミック・ジャガーとティナ・タナーの熱狂…… LIVE 8はライブ・エイドの興奮をもう一度ということを…

 自立のために

フェアトレードと言えば本来公正な価格での取引を意味する言葉であるが、サブサハラアフリカ諸国との貿易においては、農産物や民芸品などの特産品を公正な価格で取引することを意味しているようである。 NGOやNPOを通じて、市場に運ぶことが困難な奥地や商取…

 日本の対アフリカ協力

G8諸国の中でも日本はアフリカ重債務国への債権を多く抱えている。 これに対してジュビリー2000などは、いかにも日本への債務返済がアフリカを苦しめているような印象を与えるキャンペーンを張っているが、実のところ、重債務国の債務返済の大部分は、前述し…

 巨額の債務

アフリカの再生を考える上で、債務の問題は避けて通ることはできない。 アフリカの抱えている債務総額は3000億ドル(30兆円)超であり、アフリカの輸出総額の3倍近くに上る。 一部ではIMFの構造調整プログラムにより緊縮財政を余儀なくされ、その結果十分な産…

 ホワイトバンド

一連の世界の貧しさを考えるキャンペーンのひとつにホワイトバンドキャンペーンがある。 最初このキャンペーンのことを 『めざましテレビ』 で知ったのだが、ぼんやりとみていたせいか、私はホワイトバンドを買ったその収益がそのまま募金されるのかと勘違い…

 LIVE 8 と G8

ロンドン多発テロの影響で、我が国の報道ではテロとの闘いばかりがクローズアップされてしまったG8だが、債権放棄をはじめとするアフリカへの支援が決まった意義は大きい。 GCAPなどのNGOによる貧困撲滅キャンペーンと共に、LIVE 8を開催したボブ・ゲルドフ…