悔しい夢


こんな夢を見た。


私の恋人はイノシシだ。
いつも妙に可愛らしい服を着て、頭にもリボンなどをつけているが、似合っていない。
「 何で俺はこいつと付き合っているんだ。 」と思いつつ、待ち合わせ場所にイノシシが現れるたび、にこにこと愛想笑いを浮かべながら手を振っている自分が情けない。


「 いつかふってやる。 」
ひそかにその機会を待ちながら、それでもずるずるとイノシシとのつきあいは続いていた。


いつものように待ち合わせ場所に現れたイノシシだが、その日は妙に態度がぎこちない。
しばらくしてイノシシが切り出した。
「 別れて欲しいの。 」
「 えっ……」
「 だって、ブタさんのほうが男らしいんだもん……。 」
「 ………… 」