LIVE 8 と G8


ロンドン多発テロの影響で、我が国の報道ではテロとの闘いばかりがクローズアップされてしまったG8だが、債権放棄をはじめとするアフリカへの支援が決まった意義は大きい。
GCAPなどのNGOによる貧困撲滅キャンペーンと共に、LIVE 8を開催したボブ・ゲルドフやボノといったミュージシャンたちの尽力は、賛否両論はあるものの高く評価してよいと思う。
20年前のライブ・エイドの収益は、アフリカの1週間分の債務返済にしかならなかったという衝撃的な事実への反省から、チャリティーコンサート的色彩が強かったライブ・エイドに比べ、ライブ8はよりメッセージ色の強いものとなり、G8とのコラボという形で開催された。
「政治家に利用されているだけだ」という批判を受けながらもボノたちは精力的に動き、その結果としてアフリカの対外債務の免除を勝ち得た。
「ボノを世界銀行総裁に」というジョン・スノウ米財務長官の発言は「やれるもんならやってみろ」という強烈な皮肉と共に、その強い影響力を認めた上での発言だろう。
G8の議長国が、かつての植民地時代よりアフリカの支配に深く関わり、しかもG8の中でも対アフリカ債権が少ないイギリスであったことも議題の決定に有利に働いた。
結局、アフリカの貧しさと真剣に取り組む人たちの強い思いと政治家たちの思惑の一致によって対アフリカ援助が決定した訳だが、結果としては実のあるものが得られたと思う。
今後どのようにライブ8の収益が使われていくかについては、その運動に賛同した人たちの信頼を裏切ることのないよう、しっかりとした報告を期待する。